どうも、はじめまして。
埼玉県川口市で、ちいさな町工場を経営している山田太郎です。
従業員はパートさんも含めて18人。
自動車の部品なんかを作る、どこにでもあるような会社です。
「町工場」って、外から見たら何をやっているか、正直よく分からないですよね。
油の匂いがして、機械の音がガーガーうるさくて、職人さんが黙々と作業してる…そんなイメージでしょうか。
まあ、だいたい合ってます(笑)。
でも、そこにはそこで働く人たちの毎日があって、いろんなドラマがあるんです。
今日は、うちの会社「山田精密工業」がどんな場所で、どんな連中が働いているのか、社長であるこの俺が、包み隠さずお話ししようと思います。
「うちの会社では」なんてのが口癖の、町工場の親父の独り言だと思って、気軽に読んでみてください。
山田精密工業ってどんな会社?
創業から25年、地道に築いてきた歴史
うちの会社を立ち上げたのは、俺がまだ26歳の時でした。
高校出てから勤めてた会社を辞めて、たった一人で始めたんです。
それから25年、本当にいろんなことがありました。
良い時も悪い時も、従業員や取引先、そして家族に支えられて、なんとか今日までやってこれました。
主力事業:自動車部品の精密加工
うちは主に、自動車のエンジン回りとか、大事な部分に使われる金属部品を作っています。
「精密加工」って言うんですけど、1000分の1ミリ単位の精度で金属を削ったり、プレスしたりする仕事です。
皆さんが毎日乗ってる車の、目には見えない心臓部の一部を、うちの職人たちが作ってる。
そう思うと、ちょっとだけ誇らしい気持ちになりますね。
川口という町と町工場の関係
この川口市は、昔から「ものづくりの町」として知られています。
うちみたいな町工場がたくさんあって、お互いに助け合ったり、時には競い合ったりしながら、日本の産業を支えてきたっていう自負があります。
ご近所さんも工場ばっかりなんで、多少機械の音がうるさくても「お互い様だね」って笑ってくれる。
そんな土地柄が、うちらみたいな町工場にはありがたいんです。
従業員18名、それぞれの役割と雰囲気
正社員が14名、パートさんが4名。
これが今の山田精密工業の全メンバーです。
- 会社名: 山田精密工業株式会社
- 所在地: 埼玉県川口市
- 事業内容: 自動車部品の精密加工(切削・プレス)
- 従業員数: 18名
- 社長の口癖: 「従業員とその家族を守るのが俺の仕事」
正直、大企業みたいに立派な福利厚生があるわけじゃない。
でも、誰かが困ってたら自然に助け合う、そんな家族みたいな雰囲気がうちの自慢です。
うちの職人たちを紹介します
ベテラン職人と若手のコンビネーション
うちには、この道40年の大ベテランから、入社2年目の若手まで、いろんな世代の職人がいます。
ベテランのじいさんたちが、若い連中に「ここはこうやるんだよ」なんて、ぶっきらぼうに技術を教えてる光景は、日常茶飯事ですね。
最初は反発してた若手も、失敗を繰り返すうちに、だんだん素直に耳を傾けるようになる。
技術っていうのは、そうやって人と人との間で受け継がれていくもんなんだなと、毎日感じています。
技術の継承と人材育成の工夫
正直なところ、若い人がなかなか入ってこないし、育てるのも簡単じゃありません。
それでも、うちは諦めずに人を育てていきたい。
- 資格取得の費用は会社で全額負担する。
- 外部の研修にも積極的に参加させる。
- 失敗を恐れずに、まずは機械に触らせてみる。
小さな会社だからこそ、一人ひとりに目を配って、その成長をじっくり待つことができる。
そう信じてやっています。
「親方」と呼ばれる社長と社員の距離感
俺は従業員から「社長」って呼ばれるより、「親方」とか「おやっさん」って呼ばれることの方が多いんです。
自分でも現場に出て機械をいじりますし、事務所にこもってるより、みんなと話してる方が好きなんですよね。
仕事の話だけじゃなくて、「息子さんの受験どうだった?」とか「最近、腰の調子悪いんだよ」なんて世間話もする。
この距離感が、うちの会社の雰囲気を作ってるのかもしれません。
働く環境と雰囲気づくりの工夫
特別なことはしてません。
でも、夏は工場にデカい扇風機を何台も置いたり、スポットクーラーを入れたり。
冬はみんなであったかいコーヒーを飲めるようにしたり。
あとは、とにかくコミュニケーションを大事にすること。
従業員が気持ちよく働けなきゃ、良い製品なんて作れるわけがないですから。
町工場のリアルな1日
朝の現場点検から始まる一日
俺の一日は、朝7時半に会社に来て、工場の中を全部見て回ることから始まります。
機械の調子はどうか、現場は整理整頓されているか、従業員の顔色は悪くないか。
この朝の巡回が、一日の安全と品質を決める大事な儀式みたいなもんです。
小ロット多品種への対応力
うちは大企業じゃないんで、何万個も同じものを作る仕事は少ないんです。
その代わり、「これを10個だけ作ってほしい」とか「急ぎでこの部品が必要になった」みたいな、細かい注文に素早く対応するのが得意です。
正直、段取り替えが多くて大変なんですけどね。
でも、そのフットワークの軽さが、うちみたいな町工場の生きる道なんです。
現場と事務と営業を兼ねる社長の日常
町工場の社長ってのは、本当に何でも屋です。
- 午前中: 現場で若手に指示を出したり、品質をチェックしたり。
- 昼過ぎ: 作業着からスーツに着替えて、取引先へ営業や打ち合わせに。
- 夕方: 会社に戻って、見積書を作ったり、資金繰りの計算をしたり。
- 夜: みんなが帰った後、一人で工場の掃除をすることも。
まあ、忙しいですけど、会社の全部を自分の目で見てるっていう実感がありますね。
社員の“昼休み”に見える温かな関係
昼休みになると、事務所のテーブルでみんな弁当を広げます。
妻が作ってくれた弁当を食べるパートさん、コンビニで買ってくる若手、愛妻弁当のベテラン。
そこで交わされるのは、本当にたわいもない話。
昨日の野球の結果とか、テレビドラマの話とか。
この何気ない時間が、チームの潤滑油になってるんだと思います。
苦労もあるけど、うちの強みです
資金繰りの現実:支払いサイトとの戦い
かっこいいことばかり言ってもいられません。
経営者として一番頭が痛いのは、やっぱりお金のことです。
特に、うちらみたいな下請けは、部品を納品してから実際にお金が振り込まれるまで、2ヶ月とか3ヶ月かかるのが当たり前。
その間の材料費や従業員の給料は、先に出ていってしまう。
この「支払いサイト」との戦いは、本当に毎日ヒヤヒヤしますよ。
設備の老朽化と新機械導入のタイミング
良いものを作るには、良い機械が必要です。
でも、最新の機械ってのは、一台で家が建つくらい高いんです。
「そろそろあの機械もガタがきてるな…」
「でも、今こんな大きな投資をして大丈夫だろうか…」
この判断は、いつまで経っても難しいですね。
「良いモノをつくれば、必ず評価される」技術への誇り
苦労は絶えません。
でも、俺たちには誇りがあります。
それは、どこにも負けない技術力で、良いモノをつくっているという自信です。
どんなに厳しい状況でも、品質だけは絶対に落とさない。
図面通りに、いや、図面以上の精度の製品を納める。
それさえ続けていれば、必ず誰かが見ていてくれるし、評価してくれる。
そう信じて、毎日歯を食いしばっています。
長年の信頼でつながる取引先との関係
ありがたいことに、創業当時からずっと付き合ってくれてる取引先が何社もあります。
「山田さんとこの部品は、品質が良いから安心して使えるよ」
そう言ってもらえるのが、何よりの励みです。
商売は、結局は人と人との信頼関係。
そのことを、この25年間で嫌というほど学びました。
地域とともに、家族のように
川口のものづくり文化と町工場の役割
俺は、この川口という町が好きなんです。
たくさんの町工場が、この町の文化を作ってきた。
俺たちも、その一員として、この土地でものづくりを続けられることに誇りを持っています。
「従業員とその家族を守るのが社長の仕事」
これは、俺が先代の社長たちから教わってきた、一番大事な信念です。
会社は、俺一人のものじゃない。
ここで働くみんなと、その家族の生活がかかっているんです。
従業員とその家族を守るという信念
だから、どんなに経営が苦しくても、簡単に人を辞めさせるわけにはいかない。
給料やボーナスだって、できる限り払ってやりたい。
そのために、社長である俺が泥臭く頭を下げて仕事を取ってくるし、資金繰りにも奔走する。
それが当たり前だと思っています。
地元の若者を育てる使命感
最近は、地元の工業高校の生徒さんが工場見学に来てくれることもあります。
目をキラキラさせながら機械を見てる若い子がいると、嬉しくなりますね。
「ものづくりって、面白いだろ?」
「うちで働いてみないか?」
なんて、つい声をかけたくなります。
この町の技術を、次の世代に繋いでいくのも、俺たちの大きな役目です。
工場の外でのつながり:イベントや近所づきあい
町内会のお祭りがあれば、みんなで参加して焼きそばを焼いたりもします。
仕事が終われば、近所の飲み屋で従業員と一杯やることもある。
そういう工場の外での付き合いが、また良いんですよね。
仕事だけじゃない、地域の一員としてのつながり。
それが、うちみたいな会社の強さになっている気がします。
まとめ
ここまで、うちの会社「山田精密工業」の話を長々としてしまいました。
読んでくれて、ありがとうございます。
結局、何が言いたかったかというと、うちの会社はこんな感じです。
- 従業員18名、それぞれが主役の、家族みたいな会社です。
- 「良いモノをつくる」という技術への誇りが、一番の支えです。
- 資金繰りとか、悩みが尽きないのが町工場のリアルです。
- でも、家族や地域、仲間とのつながりが、何よりの力になっています。
俺は、この「町工場の親父」という生き方に、誇りを持っています。
大変なことも多いけど、やりがいも大きい。
もし、これを読んでくれているのが同じような中小企業の経営者の方なら、きっと「分かる分かる」って頷いてくれるんじゃないでしょうか。
お互い、大変ですよね。
まあ、そんなもんです。
でも、悪くないですよ、この人生も。