いやどうも、山田精密工業の山田です。
うちの長男も大学2年になりましてね、最近「就活」ってやつが本格的に始まったみたいなんですよ。
親としては「いよいよか」って気持ちと、なんだかソワソワする気持ちが入り混じって、落ち着かない毎日です。
普段は従業員たちの親方として、若者にあれこれ言ってる立場ですが、いざ自分の息子のこととなると、また見え方が全然違うもんですね。
今日は、「町工場の親父」として息子を見守る気持ちと、「一人の経営者」として今の若者に思うこと、そんな葛藤と最近気づいたことを、正直に綴ってみたいと思います。
目次
息子の就活が始まって思ったこと
大学2年の夏、「インターンに行ってみる」と言い出した
この前の夏休みに、長男が急に「父さん、俺インターンってやつに行ってみようと思うんだ」なんて言い出したんですよ。
こっちは「え、もうそんな時期か!」って驚いちゃって。
俺たちの頃なんて、大学4年になってから慌てて会社回りしたもんだけど、今は違うんですねぇ。
正直、驚いた反面ちょっと嬉しかった
驚きはしたけど、正直なところ、ちょっと嬉しかったのも事実です。
自分の将来をちゃんと考えて、自分から動こうとしてるんだなって。
普段は家でゴロゴロしてる姿しか見てないから、余計にそう感じたのかもしれない(笑)。
親として抱いた最初の不安と期待
でも、すぐに不安も押し寄せてくるわけです。
「あいつ、ちゃんと挨拶とかできるのか?」
「社会に出て、厳しい現実に打ちのめされたりしないか?」
「そもそも、やりたいことなんて見つかるのか?」
期待半分、不安半分。
これが親心ってやつなんですかね。
経営者として若者に求める「働く力」
息子のことを見てると、自然と自分の会社の若い従業員のことも考えます。
俺が経営者として、学歴や資格よりも大事にしてることがいくつかあるんですよ。
- 1. とにかく「素直さ」と「やる気」
結局、これが一番大事なんです。
分からないことを「分かりません」と素直に言えるか。
新しいことを「やってみます!」と前向きに取り組めるか。
技術なんて後からいくらでも教えられますからね。 - 2. 「聞く力」と「報連相」ができるか
うちみたいな町工場はチームワークが命です。
人の話をちゃんと聞けるか、そして自分の状況をちゃんと報告・連絡・相談できるか。
これができないと、大きなミスや事故につながりかねない。
当たり前のことだけど、意外とできない若者も多いのが現実です。 - 3. 日々の積み重ねを見てる
派手な自己PRよりも、毎日コツコツ真面目に仕事に取り組む姿勢を見ています。
挨拶、掃除、道具の整理整頓。
そういう地味なことをおろそかにしない人間は、必ず伸びます。
うちの会社では、そういうやつが一番信頼されますね。
「自分の息子」が就職するってどういうこと?
他人の若者なら冷静に見られるのに…
会社の面接で若者と話すときは、「この子はうちでやっていけるかな」って冷静に見られるんです。
でも、相手が自分の息子だと、もうダメですね(苦笑)。
完全に親のフィルターがかかっちゃって、客観的になんて見られません。
息子の言動に一喜一憂してしまう親心
インターンの面接に落ちたと聞けば、自分ごとのように落ち込むし、うまくいったと聞けば、有頂天になって妻と喜んだり。
まったく、親っていうのは面倒な生き物です。😅
「あいつは俺の子だから大丈夫だ」なんて強がってみたり、「いや、あいつのあの性格じゃ…」なんて弱気になったり。
感情の浮き沈みが激しくて、我ながら疲れますよ。
就活を通じて親子の関係も少しずつ変わってきた
それでも、就活の話をするようになって、息子と少しだけ大人な会話ができるようになった気もします。
「社会ってどういう仕組みなの?」とか「父さんの会社はなんでその仕事してるの?」とか聞かれて、自分の仕事について改めて話す良い機会にもなりました。
息子も少しずつ、俺のことをただの父親じゃなくて、「山田精密工業の社長」としても見てくれるようになったのかもしれません。
中小企業の社長として、就活生に伝えたいこと
「働く意味」って、ちゃんと考えたことある?
もし、これを読んでる就活生の君がいたら、ちょっとだけ聞いてほしい。
「働く意味」って、ちゃんと考えたことありますか?
給料のため、生活のため。
もちろんそれも大事です。
でも、それだけじゃ40年も働き続けるのは、きっとしんどい。
会社選びに必要なのは「条件」だけじゃない
大手企業や有名な会社に入るのがゴールじゃない。
給料や福利厚生、休日の数。
そういう「条件」だけで会社を選んでほしくないな、と町工場の親父としては思います。
自分がそこで働くことで、誰かの役に立っていると実感できるか。
自分の成長を、会社の成長と一緒に喜べるか。
そういう視点も、会社選びには大事なんじゃないかな。
「自分の成長」と「誰かの役に立つ実感」の両立を
うちみたいな中小企業は、大企業みたいに立派な研修制度はないかもしれない。
でも、その分、若いうちから責任ある仕事を任せられるし、社長との距離も近い。
自分の仕事が、直接お客さんの「ありがとう」に繋がる瞬間もたくさんあります。
会社の歯車になるんじゃなくて、自分が会社を動かしてるんだって実感。
それって、すごく大きなやりがいだと思うんだけど、どうだろうか。
息子にどこまで口を出すべきか問題
親バカと干渉の境界線
これが今、一番の悩みですね。
アドバイスのつもりで言ったことが、息子にとってはただの「お説教」や「干渉」になってないか。
ついつい「俺の若い頃はな…」なんて昔話をしそうになって、慌てて口をつぐんだり。
この境界線が、本当に難しい。
自分が若いころと比較してしまう
どうしても、自分が独立した26歳の頃と比べてしまうんです。
「俺はもっとガムシャラだったぞ」とか、「もっと世の中のこと勉強してたぞ」とか。
でも、時代が違うんだから、比べても仕方ないんですよね。
頭では分かってるんですけどねぇ。
「見守る覚悟」も親の成長のひとつかもしれない
結局、親ができることなんて限られてるのかもしれません。
- 1. 黙って話を聞いてやること
- 2. 金銭的な心配をかけないこと
- 3. 最後は本人の決断を信じること
失敗したっていい。
遠回りしたっていい。
あいつの人生なんだから、最後はあいつが決めるしかない。
それを黙って「見守る覚悟」。
もしかしたら、息子の就活は、俺自身の親としての成長を試されてるのかもしれないですね。
就活を通して気づいたこと、感じたこと
「若者の未来」に対する責任感が強くなった
息子の就活に一喜一憂する中で、自分の会社の若い従業員たちの顔が浮かびました。
あいつらにも親がいて、きっと俺と同じように心配したり、期待したりしてるんだろうなって。
そう思ったら、この子たちの未来を預かってるんだっていう責任が、今まで以上にズシリと重く感じられました。
自分の会社の魅力を見直すきっかけにもなった
息子に「うちの会社ってどんな会社?」って聞かれて、改めて自社の強みや魅力を考える良い機会になりました。
普段、当たり前だと思ってた技術や、従業員同士の繋がりの大切さ。
外に向けて説明しようとすることで、自分たちの会社の価値を再発見できた気がします。
息子の就活に背中を押されて、自分も前向きに
なんだかんだ言って、息子の頑張ってる姿は、俺にとっても良い刺激になっています。
「親父も負けてられないな」って。
新しい設備投資のこととか、後継者のこととか、課題は山積みだけど、俺もまだまだ頑張らないと。
息子の就活に背中を押されて、自分ももう一踏ん張りしようって前向きな気持ちになれました。
まとめ
今回は、息子の就職活動を通して、親として、そして経営者として感じたことを正直に書いてみました。
- 息子の就活が始まり、親として期待と不安が入り混じる毎日。
- 経営者としては、若者に「素直さ」や「報連相」といった基本を求める。
- 自分の息子となると冷静には見られず、一喜一憂してしまうのが親心。
- 就活生には、条件だけでなく「働く意味」や「やりがい」も考えてほしい。
- 親としてできるのは、干渉しすぎず「見守る覚悟」を持つことかもしれない。
息子の就活は、俺自身が「働くこと」や「家族」「会社の未来」について、改めて深く考えるきっかけをくれました。
これからも「町工場の親父」として、家族と、そして大切な従業員たちの将来を真剣に考えながら、一日一日を頑張っていこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。